「UEI リサーチ」とは

UEI Research
 「UEIリサーチ」は、2013年4月1日に、コンピューターグラフィックス(CG)の日本における第一人者である、西田友是 東京大学名誉教授を所長として設立された、研究機関です。2015年8月、「UEIリサーチ」は、その運営主体が、株式会社ユビキタスエンターテインメントから、株式会社ドワンゴに移管いたしました。「UEIリサーチ」は、CGの先進的な研究機関として、西田名誉教授を中心としてこれまで以上の積極的な研究活動を展開する所存でありますので、よろしくお願いいたします。
 西田名誉教授は、世界有数のCGの研究者として知られており、2005年にアジア人として初めて、米国コンピュータ学会(ACM) のSIGGRAPHで最も栄誉あるスティーブン・A・クーンズ賞を受賞しました。歴史上12人目の受賞者となります。民間企業がこうした専門のCGに関する研究機関を設置する例は、ディズニーリサーチ、マイクロソフトリサーチなど海外では例がありますが、日本においては唯一の専門研究機関となります。また、西田名誉教授が考案した「ラジオシティ法」は、今や全てのコンピュータグラフィックス作品やゲームソフトに用いられている基盤技術であり、この豊富な経験を背景として精力的な研究活動を続けています。
 こうした西田名誉教授の研究活動と「UEIリサーチ」の技術とを結びつけ、新たな価値を提案してゆきたいと考えております。さらに、「UEIリサーチ」は、海外への積極的な論文発表や、最先端の研究成果を製品開発にフィードバックしていきます。これらの活動状況は、本ホームページにおいて、逐次掲載してゆきたいと、考えております。「UEIリサーチ」の活動にご注目ください。

 

所長挨拶

Tomoyuki Nishita Image 西田友是
 2013年4月にUEIリサーチが設立されてから2年半が経ち、徐々に大きな組織になりつつあります。
 この研究所は、大学在職時代の研究グループを中心として組織されています。専任研究員をはじめ、外部の多くの研究者で構成される、開けた研究グループでその核にUEIリサーチがあります。遠隔会議システムの利用で国際的なメンバー(10人以上)で共同研究をしています。北海道大、和歌山大、広島修道大、東京工科大、東京電機大、東邦大の研究者に加え、米国・コロンビア大、台湾大、中国・浙江大学、スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究者と国際的なスケールで共同研究を行っています。
 2015年8月には、研究環境の充実と規模拡大のため、UEIリサーチは、東証一部の上場企業である株式会社ドワンゴに移管されました。これにより、より発展的な組織を形成することができました。
 UEIリサーチの設立には、2つの意義がありました。まず、私はCG分野のパイオニアとして40年以上研究を行っていますが、停年という制度のため突然研究を中断するのは日本にとっても損失であり、研究の遺伝子をもっと残すべき猶予期間が必要との声があがっていたところでした。そこで、UEI社社長の清水氏が、西田が東大退職後も研究を続けられるようにと、西田研の民間版の研究所設立を提案されました。
 次に、CG研究をより活発にするためでした。CG関連の研究機関に関し20年前ではSGI、Apple、Intelが、最近ではMicrosoft、 MERL、 Disney、Adobe、 Autodeskなどが設立した研究所が大きく貢献しています。日本ではかつてNTT、日本IBM、 Sony、 日立の研究部門が活躍していましたが、近年は日本の企業でのCG研究部門はほぼ消滅状態です。海外では最近特に民間の研究機関が活躍しているのに対し、日本では幾つかの大学のみしか学会発表のチャンスがない状況です。こうした中、日本の民間活力を甦らせるべくUEIリサーチは設立されました。
 UEIリサーチの目標は、研究成果をCGのトップコンファレンス(SIGGRAPHやEUROGRAPHICSなど)で発表し、世界的なレベルの研究機関としての認識を広めることです。実際にこれまで、CGのトップジャーナル(ACM Transactions on Graphics)やトップコンファレンス(SIGGRAPH)で成果を発表してまいりました。今後は、豊富なコンテンツと配信プラットフォームを持つドワンゴと密に連携を取ることで、新しい時代の産学連携の形を実現すべく雄飛を目指しております。

西田友是(にした ともゆき)略歴
1949年広島県生まれ。1998年から東京大学教授(2013年3月退職)。1970年からコンピュータグラフィックスの研究を始め、隠線消去、隠面消去、陰影表示などを研究。光の相互反射を計算してリアルな半影を描写する「ラジオシティ法」の考案者の一人であり、その後も精力的な研究活動を続け、 2005年にSIGGRAPHのスティーブン・A・クーンズ賞、2006年にNICOGRAPHのCG-Japan Awardを受賞。
同年より、画像電子学会において、CG関連の優秀論文の著者に与えられる「西田賞」が創設されました。